年金分割で得たお金だけでは生活は苦しいです。熟年離婚を考える前に人生設計を考えて下さい。
昨今女性の自立化が進んでいるのも手伝って熟年離婚も昔よりは増えてきている傾向にあるようです。
しかし、一時その熟年離婚が減少した時期がありました。その要因とも言えるのが「年金分割」制度です。
平成19年4月からは離婚時における年金分割、平成20年4月からは離婚時における厚生年金分割が始まりました。
今までのシステムではサラリーマンの夫は厚生年金に加入していましたので結構な額の老齢厚生年金が至急されますが、専業主婦の妻には国民年金しか至急されず至急額には格差がありました。
しかし、働く夫を家の中で支えてきた妻の貢献度が全く反映されていないこと、高齢の独身者における国民年金だけの生活の貧困振りが社会問題になっていることも考慮され婚姻期間中に支払った厚生年金を分割して支払うという年金分割制度が制定されたと言うことです。
この制度が施行される時期を見計らって離婚するケースが増えたこともあり、施行前の一時期は熟年離婚が減少したということです。
この年金分割制度は結婚20年を越えた熟年夫婦にとても関心が高く、この制度導入後に熟年離婚件数が増えると考える人は7割強と多くの方が考えているようです。
また、年金分割制度を知っている方は熟年世代になればなるほど割合が増え、男性よりも女性の方がこの制度に対して好感触を得ていることが分かりました。
以上のことから考えても高齢者、熟年世代の人にとても関心が高いと言うことが分かりました。
熟年世代の人にとって離婚後の年金分割は興味があることだと思います。
しかし、いくらくらいもらえるのかと言うのはあまり見当がつきませんよね。
これは社会保険庁で分割後の年金額を教えてもらうことが可能なのでぜひ一度足を運んでみてはいかがでしょうか。
調べるときに必要なのは年金手帳、戸籍抄本か戸籍謄本です。これを提出することで受給額を知ることが可能となります。
また年金の試算額を知りたい場合は50歳以上であれば希望者に対して教えてくれるそうです。
また、教えてもらう試算額の種類は分割をしない場合の試算額、半分の割合で分割をした場合の試算額、好きな割合で分割した場合の試算額の3種類となります。
また、この試算額は離婚前の状態であれば希望者に対してのみ通知しますが、離婚後はどちらかが希望した場合に両方に通知することが可能です。
しかし、描いているような多額のお金が年金分割で得られる訳ではないので、一度社会保険庁で試算額を出してもらい離婚するかしないかを再検討してみるのもいいのではないでしょうか。
それにより慰謝料や財産分与なども合わせて生活していけるかどうかなど自分なりの見積もりを立ててみてもいいのではないかと思います。
どちらにしても専業主婦の場合、かつ熟年離婚の場合、女性側が離婚後の生活が苦しくなると思います。離婚後にさらに辛い状況になっては意味がありません。そうならないためにも事前に準備するなどしておいた方がいいと思います。
この制度が始まるときには色々なメディアで話題になったと思いますが、まだまだ知らないこと、誤解していることが多いと思いますのでここで少しご説明してみたいと思います。
2007年4月以降に始まったこの制度、はじめは協議しなければ分割できなかったのですが2008年4月以降は協議をしなくても自動的に年金が分割できるようになったようです。ですからわざわざ協議して分割を決めなくても2008年まで待って自動的に分割されるようになるのを待つ人も多くいたと思います。
これだけ聞くとすごくいいように感じますが、ちょっとした誤解があるかもしれません。自動的に分割できる年金は2008年4月以降に支払った分だけで、それ以前に支払った分に関してはやっぱり協議して決めなければならないので結局は一緒ということになります。
ですから、その分の誤解もきちんと理解しておいた方がいいとでしょう。
年金分割制度も導入されたことから注目を浴びている熟年離婚。20年以上連れ添った夫婦が定年退職や子供の自立をきっかけに離婚をしている人が多いです。
しかし、この年金分割があるというだけで安易に離婚を選択しないようにしてください。特に熟年離婚の場合は離婚するまでに準備と心構えが必要になると思います。
熟年離婚の場合、離婚を言い出すのは妻側が多く、夫にとっては予想外のことに違いありません。
夫は今まで仕事にかまけて、家にいなかったり、家庭を省みなかったりしている人も多いため、その不満を募らせた妻が爆発して離婚と言うことになるケースが多いです。
熟年離婚の場合、年齢や地位的なものから財産や資産があるために離婚はもめてしまうケースが多いと言います。妻から急に離婚を言い渡されて夫が全力で反論してしまうからかもしれません。
また、離婚をすることに対してエネルギーを使い果たすと離婚後のギャップに悩まされるケースも少なくはありません。
専業主婦として生きてきた人が急に社会にでても雇ってくれるところはあまりないのが現実です。
独り暮らしも寂しいですし誰かに頼りたいと思っても子供が結婚でもしているとそれも難しいと思います。
ですから、まずよく離婚後の生活のシミュレーションをしておくことが必要だと思います
またお金に対するシミュレーションも大事です。離婚後に住む場所、生活費、収入などを算出しておきましょう。
離婚後にいただく予定の慰謝料や財産分与なども算出時に入れといてシミュレーションしておくことも大事です。
年金分割があるとしても到底それだけでは暮らせる額ではありませんので、事前にシミュレーションなど心の準備をきっちりしておくことが必要です。